ずっと足をなめている。
夜もカリカリと体をかく音が聞こえる。
耳のにおいや赤みが気になる。
わんちゃんのこうした様子が見られた時、「暑いから仕方がない」「毎年のことだから」と諦めていませんか?
夏に悪化しやすい皮膚トラブルはありますが、かゆみや赤みの原因は暑さだけとは限りません。
この記事では、夏に気づきやすい犬の皮膚トラブルと、ご家庭で確認したいポイント、動物病院を受診する目安についてお伝えします。
目次
夏になって、こんな様子が増えていませんか?
愛犬に次のような変化がないか、確認してみましょう。
- 体をかく回数が増えた
- 足先や指の間を何度もなめる
- 足をかんだり、床にこすりつけたりする
- 耳をかく、頭を振る
- 耳からいつもと違うにおいがする
- お腹、わき、内股が赤い
- 皮膚や被毛がベタベタしている
- フケ、ブツブツ、かさぶたがある
- 一か所だけを急に激しくなめたり、かんだりする
- 毛が薄くなった場所がある
「かいていないから、かゆくない」とは限りません。
犬では、足をなめる、体をかむ、顔や体を床にこすりつけるといった行動も、かゆみのサインであることがあります。
足、耳、お腹、わきの下をチェックしてみましょう
ご家庭でできる範囲で、気になる部位を優しく観察してみましょう。
触られるのを嫌がる、痛がる、咬もうとする場合は、無理に触る必要はありません。見える範囲を写真や動画に残してください。
趾先・指の間
趾先を繰り返しなめている場合は、次の点を確認します。
- 指の間や肉球の周りが赤くないか
- 腫れていないか
- ベタつきやにおいがないか
- 毛が唾液で茶色く変色していないか
- 左右の足で違いがないか
- 爪が折れたり傷ついたりしていないか
- 散歩のあとに強くなめていないか
- 足をかばったり、歩き方が変わったりしていないか
一つの足だけを急になめ始めた場合には、傷、爪のトラブル、植物の種などの異物、痛みが関係している可能性もあります。
異物が深く入り込んでいるように見える場合は、無理に取り出そうとせず受診してください。
耳
耳のトラブルでは、次のような変化が見られます。
- 耳をかく回数が増えた
- 頭を繰り返し振る
- 耳の内側が赤い
- 耳垢の量や色がいつもと違う
- 耳から強いにおいがする
- 耳を触られるのを嫌がる
- 片方の耳を下げている
外耳炎には、アレルギー、異物、寄生虫、細菌、マラセチアなど、複数の要因が関係します。
綿棒を耳の奥まで入れると、耳垢を押し込んだり、耳の中を傷つけたりすることがあります。
以前処方された点耳薬や市販品を自己判断で使う前に、まず耳の中の状態を確認しましょう。
お腹・わき・内股
次のような変化がないか確認します。
- 赤み
- 小さなブツブツ
- フケやかさぶた
- ベタつき
- 強いにおい
- 脱毛
- なめた跡
- 以前より皮膚の色が濃くなっている部分
お腹やわき、内股は被毛が薄く、皮膚の変化に気づきやすい場所です。
ただし、見た目だけでアレルギー、細菌感染、マラセチア、寄生虫などを区別することはできません。
シャンプーの回数を増やせば治るとは限りません
皮膚がベタついていると、「もっと頻繁に洗った方がよいのでは」と考えるかもしれません。
しかし、健康な皮膚を清潔に保つためのシャンプーと、皮膚病の治療として行う薬用シャンプーでは、目的が異なります。
皮膚の状態によっては、獣医師の指示で薬用シャンプーを週に複数回行うこともあります。一方で、皮膚に合わない製品を使用したり、必要以上に強くこすったりすると、刺激になる場合があります。
シャンプーでは、回数だけでなく次の点が重要です。
- 皮膚の状態に合った製品を選ぶ
- 決められた濃度や方法で使用する
- 必要な時間、皮膚になじませる
- シャンプー剤が残らないようにすすぐ
- 熱すぎるお湯を使わない
- 高温のドライヤーを皮膚に近づけすぎない
- 指の間や毛の内側まで乾かす
- 必要に応じて保湿を行う
「犬用」と表示された製品でも、すべての犬に合うわけではありません。
シャンプーを増やすべきか、製品を変えるべきか迷ったときは、皮膚の状態を確認してから決めることをおすすめします。
できるだけ早めに受診したい症状
次のような症状がある場合は、早めに動物病院へご相談ください。
- 眠れないほどかゆがっている
- 一か所を激しくなめたり、かんだりしている
- 皮膚がジュクジュクしている
- 出血、膿、強いにおいがある
- 赤みや脱毛が急速に広がっている
- 耳を強く痛がる
- 頭が傾いている、ふらついている
- 足をかばう、歩き方がおかしい
- 顔やまぶたが急に腫れた
- 元気や食欲が落ちている
特に、症状が急に強くなった場合や、痛み、元気や食欲の低下を伴う場合は、長く様子を見ずに受診してください。

繰り返す場合も、一度原因を整理しましょう
緊急性が高くなくても、次のような場合は診察をおすすめします。
- 数日たっても改善しない
- 毎年同じ季節に症状が出る
- 外耳炎や皮膚炎を何度も繰り返している
- 薬をやめるとすぐに再発する
- シャンプーや市販品を試してもよくならない
- かゆみの原因が分からないまま対処を続けている
皮膚トラブルでは、現在の見た目だけでなく、症状の始まり方やこれまでの経過が診断の手がかりになります。
受診の際には、次のような情報が役立ちます。
- いつ頃から症状が始まったか
- 体のどこから始まったか
- 季節による変化があるか
- 普段の食事やおやつ
- ノミ・マダニ予防の製品名と使用時期
- 使用しているシャンプーや保湿剤
- トリミングやシャンプーをした時期
- 過去に使用した薬と反応
- かゆがっている様子の動画
- 赤みや皮膚の変化が分かる写真
診察時には症状が落ち着いていることもあります。
症状が出ているときの写真や動画を撮っておくと、ご家庭での様子を共有しやすくなります。
ときのしま動物病院の皮膚科診療とお手入れサポート
ときのしま動物病院では、現在見えている皮膚の症状だけでなく、症状が始まった時期、かゆみの出る場所、季節による変化、食事、寄生虫予防、シャンプーや保湿、トリミング、普段の生活環境、これまでの治療への反応などを確認します。
必要に応じて、皮膚や耳垢を顕微鏡で確認する検査、寄生虫の検査、耳の奥の観察などを行い、原因の候補を一つずつ整理します。
皮膚トラブルは、アレルギーと細菌感染など、複数の要因が重なっていることもあります。そのため、一度の診察ですべてを決めるのではなく、治療後の変化を確認しながら、お薬やご家庭でのお手入れ方法を調整していく場合があります。
また、院内にはトリミング部門があるため、必要に応じて獣医師とトリマーが皮膚の状態やシャンプー、お手入れ方法について情報を共有しながら対応します。
まとめ
かゆみが続くと、なめたりかいたりすることで皮膚が傷つき、さらに症状が悪化することもあります。
シャンプーの回数を増やしたり、市販品を次々に試したりする前に、一度皮膚の状態とこれまでの経過を整理してみましょう。
足なめ、耳のにおい、皮膚の赤みやベタつきなど、気になる様子がありましたら、ときのしま動物病院へご相談ください。
かゆみを減らし、わんちゃんとご家族で夏を思いっきり楽しみましょう!
