4月26日は「パープルデー」、てんかんの啓発日です。
過ぎてしまいましたが、この機会に犬や猫のてんかんについて知っておいてほしい対処や、問題行動との関係についてお伝えします。
いぬやねこにもてんかんがある
てんかんは、脳の神経細胞が異常に活動することで発作を引き起こす病気です。
いぬやねこも人と同じようにてんかんを発症することがあり、突然の発作に驚かれるご家族も多いかと思います。
適切な対処を知っておくことで、どうぶつの安全を守ることができます。
てんかん発作が起こったら
発作の前に「前駆症状」が見られることがあります。
落ち着きがなくなったり、そわそわしたり、隅っこに隠れるような仕草を見せたりすることがありますが、気づかない場合も少なくありません。
万が一発作が起きた際には、次のように対処しましょう。
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安全確保
どうぶつは発作中、自分の体を制御できない状態になります。
周囲に危険なもの(鋭利なもの、高い場所、階段など)があればすぐにどかして、安全な場所を確保してください。 -
冷静に観察
発作の発生時刻や持続時間、どのような様子だったかを記録しましょう。可能であれば動画を撮影すると、診断の重要な手がかりになります。
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緊急受診の判断
発作が5分以内に収まり、その後も特に異常がなければ緊急性は低いと考えられます。
ただし、次のような場合は、なるべく早く動物病院を受診してください。- 発作が5分以上続く
- 短時間で何度も発作を繰り返す
てんかんと問題行動の関係
てんかん発作と聞くと、ガタガタ震えるイメージを持たれる方が多いかもしれません。
それだけでなく、どうぶつの問題行動の中には、実はてんかんが関係している場合があります。
例えば、
- 急に攻撃的になる
- 理由なくうろうろ歩き回る
- 一点をじっと見つめる
- 飼い主の呼びかけに反応しない
こういった行動が見られる場合、一般的なしつけやトレーニングでは解決しないことがあります。
その場合は、行動診療科を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
https://tokinoshima-ah.com/medical-information/behavior/
まとめ
てんかんの原因となる病気は、脳や神経の疾患や内科疾患などさまざまなものがあります。
そのため、てんかん=発作を抑える薬ではなく、他の症状などを考慮しながら診断していく必要があります。
当院では一般状態を判断し、場合によっては二次診療施設の受診をご案内しています。
そうして適切な診断と治療をすることにより、どうぶつの生活の質を向上させ、ご家族の不安を減らすことが可能です。
発作の兆候や対処法を知っておくことで、いざというときに冷静に対応できるようにしておきましょう。