ときのしま動物病院、獣医師の花村久美子です。
今回はわたしが獣医師になってからの想いをお伝えします。
「うちのコ」を守りたい!
わたしが獣医になろうと決意したのは、昔飼っていた大好きな柴犬が体調を崩したとき。
近所の動物病院で「原因はわからない」と言われ、ショックを受けました。
今思えば、そのときみられた彼女の症状(震え、パンティング、食欲廃絶)は何かしら恐怖を感じてのものだったかもしれません。
ただ当時行動学はメジャーなものではなく、きっかけとなる事柄を特定できるほど中学生のわたしも観察していたわけではありませんでした。
その経験が、後に行動診療に興味を持つきっかけにもなりました。
「なぜこの子はこういう行動をするのか?」という視点を持ち、言葉を話せないどうぶつたちのサインを読み解くことの大切さを学びました。
3人の子育てと小児科通いで感じる、動物病院との共通点
獣医師になってからは、どうぶつたちのからだの健康を守るだけでなく、こころの健康を守るのも大事な仕事だと感じています。
人の小児科と動物病院には共通点が多いと日々実感しています。
わたし自身3人のこどもの子育て中。小児科にはしょっちゅうお世話になっています。
そこで感じるのは、医師と保護者が子どもの様子を一緒に見て、どう伝え、どう治療を進めるかを考えていくプロセスの重要性です。
動物病院も同じで、どうぶつたちは私たちと会話はできませんが、表情やしぐさ、行動でたくさんのことを伝えています。
それを汲み取り、ご家族と一緒に治療の方針を決めていくことが大切だと思っています。
診察室の向こうまで、どうぶつとご家族の暮らしを応援したい
診察では、病気や治療の説明をするのはもちろんですが、それ以上に、ご家族がどうぶつとどのように過ごしていくのかを考える時間を大事にしています。
実際にご家族のお話を伺うと、「できることなら全部やってあげたいけど、限りがあって・・・」と相談されることも多いんです。
だからこそ、安心して話せる雰囲気をつくることを心がけています。
また、わたしは環境を整えることで、どうぶつとご家族がより健やかに暮らせるようお手伝いしたいと考えています。
わんちゃんやねこちゃんが不安を感じにくい診察の仕方を工夫したり、おうちでの過ごし方についてアドバイスをしたりすることで、病気の予防やストレスの軽減につながることもあります。
治療だけでなく、日々の暮らしのサポートも大切にしていきたいと思っています。
これからも、どうぶつたちとご家族が安心して過ごせるように、その子らしい暮らしをサポートできる獣医師でありたいと思っています。
どんな小さなことでも、気軽に話しかけてくださいね。